そうして受験した学校の大半は不合格であるが2校は合格したのである。が勉強もろくにしていないのに合格した学校なんかいけるかと思い、浪人を選択するのである。親からはこっぴどく叱られたが全く無視して予備校の申し込みをした。高田馬場にある早稲田予備校に入り、衝撃的な出会いを迎える。今はおそらく他界しているだろうけども、萩野浩基という年配の英語の先生である。のちに国会議員となり東北福祉大学の学長となった人である。その授業はたいてい早朝に行われ、200人くらい入る教室は7時には埋まり、最終的には階段や部屋のかなり遠い場所からでも拝聴するほどである。英語のテキストを目の前にしながら全くテキストの内容に触れず、英字新聞NEWSWEEKの切り取りを読み上げその解説をするのである。もちろん解説は日本語なのだが実に興味深い話をするのである。
例えば、農村の話だ。農業と言う産業の大切さや食育、田んぼの話から虫の話までをリンクさせるのである。大学卒業と生涯稼ぐお金の比例の話まで衝撃的過ぎて帰りには必ず図書館や書店によってその調べをするのである。英語のかけらもないが世の中の勉強をそこで始めてした気がする。一方でその授業以外はほとんど身にならず高3時代と大して変わらない勉強時間であった。さらに先に現役で大学に行った奴らとも継続して付き合い、バイトの延長というか起業に魅力を感じて動き出すのである。