8月より始まった抗がん治療だがまもなく3か月となる。3週間に一度の抗がん剤治療も4クールが終了し、途中風邪、帯状疱疹などの発症で少し遅れ気味だが概ね順調の経過だ。ただ回を重ねるにつれ倦怠感や気持ち悪さは増してくるようで4回目の今回は特にひどい状態となっている。個人差はあるといくもののやはり抗がん治療は相当きつい感じがしている。食欲があるのがせめてもの救いで体力的にはダメージは少ない印象だ。周りからするとただただ早い回復を祈るしかないが、精神的なダメージだけは何とか抑えてあげたいという思いで大阪から身内を呼んで癒してあげるようにした。本人的にはウエルカムだが来る方としては気を使わせてしまうと思ってしまうみたいで、今回は子供のお遊戯会を見るという名目で話はついた。このように治療中のストレス回避は必須で多かれ少なかれ本人が少しの間でもいいので痛みや倦怠感を忘れることができることが重要だ。今日はどんな言葉をかけようか。いかにも普通を装いながらさり気なく話しかける。腫れ物に触るような態度は絶対NGだ。
朝の雨すごかったなあ。洗濯大丈夫だった?とか普通の生活の中の会話が良いと考えている。苦しくて険しい顔をしているときは、大大丈夫だよ、ゆっくり休んでて。このくらいは俺でもできるよ。わからなかったら声かけるから。と言いながら陰では必死な思いでやったことのない皿洗いなどやってみる。皿洗いができないのではなく、どこに何をしまったらいいのかわからないのである。つまり勝手がわからないのだ。しかしながら慣れとは恐ろしいもので、繰り返しているうちに自然と身についてくる。ただやりすぎも危険だ。普段のルーティーンとなる家事と言う仕事を取り上げてしまうとへそが曲がる。このあたりのさじ加減も身についてくるものである。
仕事の休みの時には、明日何かしたいことある?買い物したいと言えば、何を買いたいのか?どこの行きたいのかをさり気なく聞き、体に負担の少ないような人混みを避けた場所をチョイスする。最近では道の駅で少し変わった野菜を買って土曜日のおうちBBQを楽しむのが毎週の楽しみになっているので、必死で道の駅、変わった野菜、シーズンものなどで検索しなるべく近場の道の駅を調べる。決まったら前日にはナビ設定や近場の食事処なども併せて調べる。天気予報も入念に調べその土地の気温なども伝える。時間帯の細かいスケジュールを決めると窮屈になるので割とゆっくり目のスタート、帰りはなるべく遅くならない設定でイメージする。体が比較的調子良さそうな時は夜ご飯の選択肢を広げ、テイクアウトMENUをいくつか候補する。
こうすることで、時間も早く進み次の抗がん治療までのカウントダウンを稼げるのだ。なんとか無事に4回目の抗がん治療も済んだおかげで担当医師から言われていた最低8か月の抗がん治療も半分に差し掛かった。時間が解決してくれるわけではないが、本人は時間経過が1つのバロメーターになっている。自分もそう思うようにしている。治療の道のりは測ることができないが、5段階あるとすればそのうちの1つ目が終わろうとしている気がする。