年が変わり、会社にとってはこれから年度末を迎える。三富は2月決算、昌利紙工業は3月決算。会計年度末は決算準備でバタバタとする。粗方の予想は立っているが昨年度からほぼ横ばい、昌利紙工業に関しては補助金があったため営業利益は同レベルであるが経常利益は補助金がプラスされ上昇となる。が数字とは乖離して内容はイマイチでパッとしない感じがする。この肌感覚も30年も同じ仕事をしていると洗練され数字を見なくてもほぼ狂いはない。
残念なことに紙業界は業界水準をみても下降現象が続き、この先は生き残りをかけて低空飛行することとなる。冷静な目で見て、この先のトレンドを予測するならトレンド変換時期でありこのトレンドライン近辺で押し合いをつづけている時期と言える。このラインを超えると一気に下降トレンドになり違った景色をみることとなる。日本の景気は日経平均がバブル期以降最高値をたたき出しているが実際には景気回復感を感じることはない。まさに会社もその縮小版であり決算上の数字ほど満足感などなく逆に景気は後退しているように感じるのである。
さて、そうは言っても会社は生き物でありダラダラしている暇などない。次の展開を考えなくてはならない。売り上げ予測、営業利益、資金繰り、組織体制を瞬時に判断しなくては鳴らないのである。瞬時と言っても今日の明日のではない、今から準備をして2月中旬くらいまでに具体的数字や方向性を示すのである。
自分のやり方は最終決断や意思決定は自分個人で行うが、そこまでに役員や身内、従業員の代表者などから個別に探りを入れた状態で意見徴収し情報を仕入れている。こうでなけらばならないといった強い経営者のエゴなどで決めることはない。もちろん60%以上は自分なりの予測や考えであるがそれ以外は意見を吸い取るのである。時間がかかるのはその作業があるためだ。今のところ自分なりの方向性しか出せないが粗方の予測としては2社とも来年度の営業数字は若干の下降線をたどりながら営業利益重視にシフトしていく。現在の売上重視からのトレンド変換だ。単価の見直しや経費の見直しでそれを行う。経費に関しては黙っていても高騰していくがわずかながらに賃上げを行い、その分を価格転嫁していくものだ。
この業界の悪いところは単価競争というフレーズをベースに付帯作業や余分な作業はおまけ、サービスが発生していることだ。本来サービスにもお金がかかるがここが価格転嫁できていないのである。見積もり以外に発生した作業内容は別料金がかかることを得意先が理解していない、か理解しているけど自分たちの利益が下がる、予算越えになるから敢えて黙っているのである。この問題を得意先に話すと、面倒くさい会社、仕事の出しにくい会社としてレッテルを貼られることとなり我々下請け会社は黙っているしかなかった。しかしながら去年あたりから全部ではないが得意先も柔軟な対応が見られ話しもしやすくなったのだ。適正な価格までには程遠いが現状より5~10%単価上昇すれば継続して設備更新や管理体制強化ができるのである。
組織体制は工場現場作業員に大きな変動はないが、高齢者の病気や体調不良数の増加は予定せざるをえない。そのため1名から3名分までの生産下落を見込んでいる。代わりの海外実習生増加も視野に入れるが他の管理者からは反対されている。休日出勤の増加率を抑えることもスケジューリングでの回避でまかなえるため緻密なスケジュール管理が必要だ。現在は自分一人で行っているこの管理も来年度は別の管理者養成でスマート管理していく。
営業体制に関しては今までも行ってきたが、少し特殊な技術を必要としている印刷製本加工に注力し積極的な営業展開を行う。場合によっては普通の製本は単価が見直されなければその仕事は受けない、特殊な加工に関しては20%以上の単価を引き上げることで営業利益を上げる方向に進んでもいいかもしれない。設備に関しては老朽化しているものの排除と更新を3000万程度見込んでいる。今時設備投資と思われることもあるが積極的な投資をしなければ衰退を待つだけとなってしまうという個人的な考えのもとここは曲げられない。
資金繰りに関しては借入金を減らした分でリース契約にして資産増加でなく、ゆるやかな資産減少、キャッシュフローを良くする動きをとる。
さてさてこんな感じで予定を組んでいくが、あとは自分のモチベーションの問題である。普段からあまりオンオフがないためやる気スイッチを見つけるのは大変なのだが、何か見つけていきたい。今のところ株式投資や金融投資であるが浅い知識と少額資金のためわかりにくい部分でもある。まずは勉強時間を作ることが必要かもしれない。