本の中身、表紙以外を上下で分割、3分割する本を作成。もともとは東海地区のデザイナーが考案。実際に本にすることができなかったため、うちの会社をホームページで見つけて作成までに至った。たまたま会社のサブホームページ、抜き加工ラボを4年前に個人的に作っており、紙の抜き加工について研究所として存在させていたのだ。そこそこの引き合い、問い合わせも多く新規顧客はこのサイトから獲得している。セパレート本に至ってはお客さまからの注文と実際の製本のやり取りが難しく、できないものも存在する。しかし、ある程度の要望に応えるためにテストを何十回もしたり、企画寸法をいじったり、とにかくトライアンドエラーを繰り返し、何とか自信を持って作成できるまでなった。
デザイナーからの問い合わせには積極的に向き合い、弊社ターゲットを印刷会社でなくデザイナーにすることでより多くのデザイン会社、専門学校、芸術大学からの問い合わせが増えていったのだ。もともと、これは10年前から狙っていた「デザイン製本」というカテゴリーを印刷業界に浸透させるためであり、紙の価値を高める私の大きな狙いがあった。そしてこの「デザイン製本」がある程度認知されたときに次世代に受け渡しをして引退するつもりだったのだ。具体的は製本のノウハウと印刷知識、デザインの下地など多岐にわたって知識と技術が必要なため、今日の明日で引き継げるものではない。最低でも10年はかかると思っている。そのため50代で準備しないといけないので、今回が最大のチャンスと考え、取り急ぎセパレート本を商標登録することとした。ネーミングに関してはここにたどり着くまでにいくつかの候補があったが、今回の名前で落ち着く予定だ。10月に正式発表予定のため、そこまでは申請中となる名前だが、数名のデザイン関係、行政の方には評判も上々であり、10月までの間にセパレート本を使ったデザインコンテストも開催予定だ。
そこまでの作業もまた地味で評価のされにくいものではあるが、製本マンとしてここまでやる人は数少なく、日本で唯一の変態製本マンとして位置づけられたら本望である。更に破産経験者がここまでやるかと思わせたい。私の破産に至った経緯は別ページで自己紹介している。