機械メーカー、金融機関、同業仲間内から聞く話であるが、印刷製本会社は相当悪いらしい。肌感覚でいうと過去30年間の歴史の中では断トツ悪い状況の気がする。予想はしていたもののコロナでデジタルは加速化して2025年くらいで起きそうな減退イメージを今受けているのである。3年くらい早まったかという印象だ。実際2019年からは自分も縮小準備に入っていたのでさほどビックリはしないが、我々のような装置産業は代わりを見つけにくい。デジタルだのDXだの言っているがそれほど大きな改革、イノベーションもなく、ただ何となくデジタル化みたいな言葉に乗っかっているだけである。キャッスレスもかなり進んだが実際にはもう10年早くても良かったのではないかという気がする。中小零細、工場にどっぷりつかっている方からみたら時代がどんどん進んでいるかのような印象だが、冷静に客観的にみるとそうでもないのである。今のところ仕事は減っても完全にペーパーレスでもないので、仕事のなくなるスピードと会社がなくなるスピードが割合としては同程度のような感じがしている。製本会社の生き残る道としては同じことをやっていては衰退するだけなので、何かを見つけなくてはならない。その何かを見つけるために日々奮闘しているのである。さて、話は製本会社一択へ。製本会社が単独で生き残るのはあと10年はないと考えている。中にはオリジナリティを持って生き残る会社があるかもしれないが、ほぼ壊滅かグループ化するしか方法はないと考える。そのためには価値ある技術、価値ある設備、価値ある頭を目指して過ごすのである。