損切が必要

投資の世界、特にトレードで主に使われる言葉で、「損切」がある。エントリーするタイミングでこのあたりまで来たら利確しよう、思った方向と違う場合ここまで来たら「損切」しようと言った具合で、損を最小限に食い止めるために使われる。損切の位置、タイミングを間違えると大きな損失になることが多い。損切出来ないたいぷはトレード下手とも言われる。さて、我々のような商売に当てはまるとどうか?こうすれば利益が出る、売り上げが伸びると思って進んでも環境や世の中の変化でどうも利益が上がらない、場合によっては赤字になる。赤字になっても次につながる赤字ならいいが、打つ手もなくダラダラと赤字経営を続けている。こんな経営者をよく見かける。自分もその部類に入っていた。

こうしよう、あーしよう、3年やってみて駄目なら計画変更しようと損切の予定をたてるものの思い切った決断ができない。経営者なら誰でもぶち当たる壁である。この時、損切出来るかできないかでその後の会社経営は大きく変わる。断捨離にも似た感じであり、1年着なかった洋服を来年痩せれば着れるなどと思い、ついタンスの中は着ない洋服の山になっている。するとどうだろう、仮に痩せて着れるようになったころにはその洋服の流行りは終わっており、別の洋服を買う。そしてまたタンスがいっぱいになるのである。片づけられない人は、物が捨てられない人に多い。損切も同じだ。損をいつまでも引きづってしまい、気が付くと含み損が増えて手に負えなくなるのだ。この原理は商売にはどんぴしゃり当てはまることと考えている。ここ5年くらい毎年、この時期には会社の断捨離を行い、使わない機械などは処分している。それでも要らないものは出てくるのだ。方向性もそうだ。今年はこれで行こうと思ったものの最終決算時期に損失を被る事業は切り捨てる。損切するのだ。この作業を毎年3月から4月にかけて行う。損切作業を行ってからはマイナスな事業もあるが大きな損失にはなっていない。損切するタイミングを間違えて、損切しなければ儲かった内容もある。しかし、この部分は、あの時この馬券を買っていれば儲かったのにと愚痴るギャンブラーと何一つ変わらない。大事なことは損切したタイミングを誤ったものをどのように次でカバーするかだ。現状維持などと言っている会社経営者はいつか滅びる。つまり現状維持は衰退を意味しているからだ。

話を戻すと、損切は会社にとっても個人にとっても大事なことであり、必要不可欠な作業である。3月中旬、そろそろ損切するアイテム、準備しなくてはならない。そう3月はまさに必要のないものとのお別れ、卒業時期なのだ。

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