先日、デザイン会社の社長様と紙とデザインのコラボについて打ち合わせをする機会があった。正直、デザインに関しては1㎜もセンスのない私はどこでかみ合うか不安であった。が2週前にオンラインで障りの部分を話していたせいか不安以上にわくわく感みたいなものも同時にあった。時間になり玄関口までお迎えにあがると、中々お目にかかることの少ない車にのって登場したのだ。勝手ながら車好きの私にとっては一気に距離を詰める材料であり、偶然にも今欲しい車であったので、お初の感じではなく瞬間にして親近感が芽生えた。一瞬で距離感を縮める材料など酒の世界しかないと思っていたのだが、やはり好きな人にしかわからない空気感がたまらなく心地よかった。
デザインについての話と言うより、どちらかと言うと今会社で何ができるかの話題となった。正直感覚的な要素の多い製本の仕事で、紙の厚みや仕組みについて問われると過去の実績以外材料がなく、曖昧な返答が多くなった。仕事のやり方についての分析や解析は得意だが、用紙や大きさ、特殊な加工についてのデータは何1つなく恥ずかしさも感じた。そしてこの問題は宿題として残されたのだが、今過去の検証からデータ取りをやっている最中に思うことがあった。
まず、今まではあくまで印刷会社や広告代理店がターゲットだったが、今やろうとしていることはその前段階のデザインをする人がターゲットに変わったということが分かったのだ。話は進み、落としどころというか行先みたいなものを見つけようとするとやはり私の持つデータが少なすぎるのだ。印刷や加工についてのデータも、このデザインの時はこれで通用する、しない、必要条件がまるで曖昧であった。感覚的なものを言語化、数値化することにしたのだが、本当にアホなのかと思うくらいまとまらない。いつもの自分はどうした!と鼓舞するものの一向にまとまらないのだ。取り急ぎ、加工の必要条件をまとめ、印刷に関する必要条件、NGなどをまとめてみた。何とか格好はついたもののやはりどうもまとまりがない。
まあ地道にやるか・・・。そう思いながら資料をまとめていると、今までやったことのない本も作れるのではないかと可能性を広げてみた。するとどうだろう。なぜかわくわく、現場との打ち合わせも可能性についての追及になっていた。営業メインの役員会も同時開催し前向きな話ができた。当然金額面などについてもシュミレーションしてみた。
行ける!と思った瞬間だった。儲かることは大事なことだが、何より今までやってきた製本の仕事の可能性を広げることができたのだ。30年間の私の製本キャリアが初めて生かせるかもしれないと思う瞬間であった。私の持つデータを分析することで大きなビジネスにつながるかもしれない。可能性はまず分析からスタートさせる。これに尽きる。