製本業界のあるあるなんだけど、指示書に予備部数●●部つけること、員数外納本は●●部作成など、実際にお金をもらえない仕事が多い。かつ員数外納本は各ページよく検品すること。などお金をもらえない仕事にお金をかけることが多い。これって商売としてどうなんだろうと思う。発注担当者はそれは単価こみとして処理してくださいという。ちなみに単価は作成した部数、指示書通りの部数である。10万部程度の仕事が多いのだが実際には1%以上作成している。たいていの場合、突っ込んで問い合わせると予算外と言われ予算からはみ出るものは支払えないという。
弊社の場合、予備部数、員数外納本部数を売り上げにすると簡単に人件費一人分以上になる。よく考えてみると、この部分をもらえるなら何も単価交渉などせず現状維持の単価で十分材料費高騰分くらいは賄えるのである。この業界ルールを全面改正すれば業界の大半は会社維持できるのではないかと考えてしまう。下請けから見れば単価を上げてくださいとは非常に言いにくく、そこまで上げろと言うならよそを探しますと思われてしまう。風通しの良い会社であっても所詮、相手は会社で身を守る立場の人間である。自分のリスクを背負ってまでしてこの手の意見に耳を傾ける人間などいないのである。
弊社には下請けGメンと呼ばれる国からの人間が1年に1度訪れる。業界の問題、支払い条件、困っていることなどを相談にのってくれるのである。数年前に問題となっていた仕事以来と同時、または事前に発注単価を決めて取引するという内容に関しては大幅に改善してきた。下請けGメンが解決したかどうかは別としても数年かかっても解決できたことの1つである。一時期は発注会社の社長が名指しされた事例もあり中々の効果であった。先月訪れたGメンには支払いサイトの問題と予備作成部数の問題、発送手間賃の問題を言及しておいた。この問題に該当する得意先をすべて名指しにしておいた。とうていすぐに解決できるとは思わないが現在予備作成部数に対しての料金をもらえるのは大手印刷会社と制作会社、デザイン会社のみである。
営業的なスタンスで考えればこの問題を解決することは難しいと理解している。しかし、担当営業マンがクライアントに丁寧に説明しお金をいただくことは営業の大事な仕事だとも思っている。厳しく物を言うなら、そんなことことくらいクライアントに言えないような印刷営業マンとは仕事もしたくないし、1つのものを共存して作り上げていく共同作業などしたくもない。たいての場合、このような嫌なことをクライアントに言えない営業マンはたいていの場合、できない営業マンである。笑いながらこのようなことを口にしてクライアントと話ができる風土が作れる営業マンが本当の営業マンである。
言ったて命までは取られないのにね。