人生でもゲームでも投資の世界でも必ず転換点、節目がある。特にゲームや投資の世界では上昇トレンド、下降トレンドの見極めが収支に大きく影響している。人生の節目もある。学生時代、仕事をガムシャラにやる時期、慣れてきて乗っている時期、成熟期などだ。厄年などと易学的にも当てはまる時期、トレンド変化の時期が必ずある。通過してから気が付くこともあるが、概ねその傾向を感じることも多い。その転換点にいかに早く気が付きエントリーできるかで得るものの大きさは変わる。出遅れることが悪いわけではない。しかし利確した時の得るものの大きさが違うだけだ。お金持ちと言われる人たちはこの見極めがうまいと思っている。だいたい得られる金額を予測し、得た瞬間、瞬時に次の方向を決める。お金持ちと言われる人たちはお金をいっぱい持っている人と思われがちだが、実際には多くのお金を動かせる人のことを言う。会社経営をして100万円儲かった、うまいものを食べる、いい洋服を買う。自分の腹を満たすことはできるがお金持ちにはならない。20万円しか儲からなかった、その20万円をどう次の展開につなぐかを考える。その期間が長くても転換点を見出す努力をしている。一攫千金を狙うわけではない。世の中の動き、情報を素早くキャッチし変化に対応する。会社でも同じだ。
今、世の中で求められることは何か、沢山の情報を収集し、処理をしていく。いらないもの、いるものとの区分けなどがそれにあたる。今、世界で何が起きているのか?日本では何が起きているのか?業界では何が起きているのか?地域では何が起きているのか?会社では何が起きているのか?集団の最低単位の家族では何が起きているのかである。マイホームを夢見ながら高い金利を払いながら長期の住宅ローンを組む。頑張って働いてきたけど予想に反して家族の資金繰りが苦しくなる。切り詰めながら何とか乗り切る。気が付けばあと5年でローンが終わる。しかし気が付けば定年時期、年金時期に入る。これはこれでいいが、自分的にはその人生計画は当てはまらないと思っている。大きなうねりのある波が社会人になり始めの頃に起きて気が付けば会社経営などリスキーな波に乗った。もちろんいい時期もあるが大半は苦しい時間を過ごしてきた。そし苦しい時期は今も変わらず続いているのだが、ちょうどコロナ時期突入の頃、2020年春ごろから一気に苦しさが増したのである。子供が生まれた頃と重なり、何とか踏ん張ることができた。そうして最近ではこの大きな苦しい波もしけに入り、少し穏やかな時間が過ぎている。会社も楽ではないが何とかやっている。人との出会い方、出会う系の人も前向きな人が多くなった。第一波の到来か?
昨年、年度初めに会社の事務所をモデルチェンジした。気分転換のためだ。その後、妻の癌が発覚して、どん底に陥り生きた心地がしなかった。踏ん張るものの、気分は仕事どころではない。小ぎれいにした事務所に入るたびに「何かやっていることが違う」「こんなことを求めているのではない」と日々思うようになっていた。仕事を辞めたい。
そう思うようになったのもこのころである。具体的にはこの仕事を辞めたいと思ったのだ。それからまた数か月経ち「仕事を辞めたい」のではなく「この仕事のスタイルから逃れたい」と思うようになった。原因は何か?下請け的にやる仕事、自分たちで何一つハンドルを握れない、奴隷のような扱いをされることにはもううんざりだった。つまりは仕事を辞めるのではなく、仕事のやり方を変えればいいだけと思うようになった。そう思うと不思議なもので下請けにしたい会社ではなく、一緒に何かを作りたいと思う人たちが集まってきた。まだ収益まではたどりつかないが芸術大学やデザイン会社などが自分の前をチラチラとこちらを見ているのである。自分的には壁を持っているつもりはないが、相手から見ると小さな薄い壁が見えるのかもしれない。その壁を自分で壊せばきっと新しい景色が見えるはずだ。そう、ここがまさに転換点だ。妻にも同じような話をした。「癌になって良かったこともある」耳を疑うような言葉であった。
子供の発達が遅いことで受け入れ幼稚園がないことで大きなストレスを抱えていたが、一か八かで私が通っていた幼稚園に頼んだら1クラス新設し一人生徒のクラスを作ってくれたこと。そして何より元気に通い、発達の遅れも徐々に取り返していること。強制的ではあるがタバコを辞めれたこと。など他にもたくさんある。癌と言う代償は痛く苦しいけれどお金周りもよくなってきた。私のとんでもない趣味の高額な車にも理解を示してくれた。あとは仕事だけだ。嫌な空気もあったが、「好きなことやれば」という一言で、気も楽になり好きなことをやることにしたのだ。様々な事を1つ1つ整理して考えてみると、まさに今しかない。そう思うようになったのだ。最終的には下請け産業からの脱却ということになるが、近づいてきたまずは小さな波に乗り、第二波にうまく乗れたら上昇トレンドの完成である。
こうして今文章を書いている最中にも妻から連絡が入り、抗がん治療は2月でいったんストップ、様子見ながら5月連休くらいまでに外科手術の予定とのこと。経過は順調で手術できるくらいまで癌が小さくなったことを意味する。何よりうれしい知らせであった。やはりここが転換点なのだ。